食中毒にご注意 
〜梅雨時は要注意!!〜




笠松病院  岐阜県岐阜市中鶉3丁目11番地
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食中毒とは?
 初夏から初秋にかけては食中毒の発生しやすい季節です。食中毒の90〜95%は細菌性食中毒です。

食中毒細菌が体内に入ってから一時間から数日で腹痛、下痢、嘔吐、発熱など胃腸炎の症状を引き起こします。高温多湿で生で食べることが増える夏に増加します。加熱が不十分な肉、生魚などや作ってから時間のたった弁当を食べ、家族で同じ症状の患者がいる場合は食中毒を疑ってください。
病原菌としては下記のようなものがあります。


食中毒を引き起こすのはこんな菌!!

細菌名 特徴 予防ポイント
病原大腸菌O157 牛肉が原因。ベロ毒素という強い毒素が大腸の粘膜を痛めつけます。激しい腹痛と下痢、嘔吐発熱などの症状。 75度で1分間以上の加熱で死滅するので、良く加熱して食べる。手や指、調理器具を良く洗い殺菌し、生の牛肉の肉汁を流し台などにつけないようにしましょう。
サルモネラ 生卵や鶏肉にいる。発熱と下痢などの風邪と似た症状。食中毒発生件数は一位。 卵はしっかり加熱して生では食べないようにしましょう。
卵が入ったサンドウィッチやサラダなどは調理後早く食べましょう。
腸炎ビブリオ 生の魚介類にいる。菌の繁殖が早いため二次汚染する可能性が大。激しい腹痛、下痢、嘔吐、37〜38度の発熱症状。 60度15分の加熱で死滅。生の魚介類を避ける。まな板や包丁はよく洗って熱消毒をしましょう。真水や酸に弱いので、調理前に水でよく洗と良いでしょう。
キャンピロバクター 鶏肉いる。低温に強い。ペットから感染することもあります。少しの菌でも発生する。 野鳥の糞尿で汚染することもあるので、井戸水や生水は飲まないこと。肉類は必ず、加熱殺菌してから食べましょう。
ブドウ球菌 傷口やニキビ、毛髪などにいる。素手で調理するときは要注意。急性胃腸炎に似た嘔吐、腹痛、下痢などの症状。 おにぎりやサンドウィッチを作るときはよく手を洗ってから。傷があるときは、ビニール手袋をつけて調理しましょう。
その他 @セレウス菌(前日作ったご飯や麺類に繁殖しやすい。嘔吐、下痢などの症状。)
Aボツリヌス菌(蜂蜜ビン詰めの中にいる。)
@作った後は、素早く冷蔵し早く食べましょう。
A死に至ることもあるので蜂蜜は一歳未満に与えないでください。
平成8年より急増しているO157は、病原性大腸炎のうちでも「ベロ毒素」※1という強力な毒素を産生する腸管出血性大腸菌です。

食中毒の一般的な症状は、急に始まる嘔吐、下痢、腹痛、発熱などですが、O157などの腸管出血性大腸菌感染症は、激しい腹痛、度重なる水のような下痢、赤ワインに似た血便が特徴的です。時には、尿毒症を起こし重篤な症状になることもあります。

※1「ベロ毒素」:体内に侵入すると大腸をただれさせ、血管壁を破壊し出血を起こします。次に腎臓に障害を与え、脳や神経にも作用します。
発病してから短期間で生命を奪うこともあります。




これから行楽地に向けて、お弁当を持っていく機会があるかと思いますが、お弁当でも食中毒を起こすトラブルも増えています。なるべく高温になるところで保存しないようにするのはご存知の通りですが、それ以外に注意できるポイントをいくつかご紹介します。
     
素手でおにぎりを握らない。ラップを使って握る。
サラダを入れる時は、トマトのへた(細菌が多い)を取り除く。
ドレッシングも別容器に分ける。
仕切りに野菜、食材は使わない。
生で食べられる加工食品(練り物等)にも必ず火を通す
容器に入れる前にしっかり冷ます
全体に菌の繁殖しにくい水分の少ない食品を選ぶ。


冷蔵庫を過信しない

食品別の腐敗までの日数の目安(冷蔵庫の平均的温度・・・5℃)
肉類 4〜5日  魚類 7〜8日  野菜 14日前後
冷蔵庫に入れてあるから大丈夫!!と過信し過ぎるのもよくありません。冷蔵や冷凍で細菌が死ぬわけではないので、食べる前に食品を再加熱したり、早めに食べたりすることが大切です。
     
温かい食品は必ず冷ましてから冷蔵庫に入れる。
野菜は育った状態と同じ方向に置く。(立てて入れる等)
肉はポリ塩化ビニリデン製のラップ(厚めのラップ)でもう一度包んで入れる。
除菌効果のある洗剤や、漂白剤でこまめに冷蔵庫の手入れをして、
冷蔵庫内の細菌の繁殖を防ぐ。
冷蔵庫のドアを開け放しにしないようにする。
          (1分間で庫内の温度はほぼ室温と同じ温度になる)
食品を詰め込み過ぎると冷気がうまく循環しなくなり、食品が冷えづらくなる。

ゴミ箱やタオルにも菌がウヨウヨ!

タオルがにおったら細菌は10億個!いつも清潔を心がけましょう。
食中毒を防ぐために、台所全体を清潔にしましょう。特にゴミ箱はふた付きのものを使い、ハエやゴキブリが侵入できないように工夫しましょう。食べ物もふた付きの容器に入れて汚染を防ぎましょう。また手ふきタオルもこまめに変えて、清潔で乾いたタオルを使いましょう。手をふいたおとにおうようなら、菌は10億個以上います。一日に最低一枚、乾きの悪い日は2枚ほど取り替えてください。
 
 
食中毒予防のポイント

細菌をつけない
1.薬用石鹸を使って手をよく洗う。特に食事の前、トイレの後は忘れずに!
2.肉・魚・野菜などの食材はそれぞれ別に洗い、別々に保存する。
3.包丁・まな板・食器、ふきんなどは、なるべく熱湯消毒する。

細菌を殺す
食品を75℃で1分間加熱する。ただし、コロッケなどの加工食品は中心温度が75℃以上になるように充分加熱する。
野菜などの生ものや手を洗うときは、必ず水道水の流水で洗う。(水道水には蛇口部分で1リットル中0.1r以上の塩素が含まれるため殺菌力がある。井戸水、ため水には要注意

細菌を増やさない
1.調理後すぐに食べる。
2.食品を保存する場合は、必ず冷蔵(10℃以下)か冷凍(−15℃以下)し、食前に再加熱する。冷凍で細菌が死ぬわけではありません。過信せずに早めに食べることが大切です。