紫外線対策 始めていますか?

どうして紫外線対策が必要なの?


 日焼けは、体によいと信じられていました。しかし今は少し変わってきました。眼科的には、白内障の大きな原因ですし、皮膚科的にも様々な病気をもたらします。
唯一の日焼けの効能は、
骨を丈夫にするビタミンDの合成促進作用です。ここでは、皮膚に及ぼす紫外線の作用について考えてみます。
 
フロンガスによるオゾン層の破壊が欧米を中心に深刻な事態と受け止められています。これは、一般にオゾン層が1%減少すると、有害紫外線が2%増加し、皮膚癌発生率が3%増加するといわれているからです。

紫外線の悪影響
   ☆ 皮膚癌
   ☆ 細菌・ウイルスに感染しやすくなる
   ☆ アレルギー物質などへの抵抗力が弱くなる
   ☆ 体調を崩しやすくなる



どんなときに、どんな紫外線のダメージを受けているの?

『紫外線(UV)対策は、日差しの強い夏になってからすればいいわ』と油断していませんか?
確かに年間の紫外線量がピークを迎えるのは7月ですが、実際に測定してみると紫外線量3〜5月にかけてグングン増えています。だから、ぽかぽか陽気に素肌をさらしていると、紫外線をたっぷり浴びてしまう結果になってしまいます。
紫外線は5月から9月にかけて、午前10時から午後2時頃に強くなります。時期だけではなく、時間帯にも注意しましょう。
また、雨の日や曇りの日にも紫外線対策は必要です。晴れた日に比べると量は半分程度ですが、紫外線はばっちり肌に届いています

紫外線には、波長の長いものから、UVA(A波)、UVB(B波)、UVC(C波)の3種類に分けられます。地表に到達するのは、A波とB波です。


午前10時〜午後2時までは紫外線の危険タイムです。
地上に届く紫外線には、波長の長いA波(UV-A)と波長の短いB波(UV-B)があります。日焼けの直後に肌が黒くなり30分〜数時間で消える反応を即時黒化と言いますが、この原因になるのがA波です。皮膚の光老化を引き起こします。日焼けで赤く炎症を起こした肌が2〜3日後に黒くなる遅延黒化の原因になるのがB波です。皮膚の細胞のDNAを傷つけます。
A波もB波も、午前10時〜午後2時が最も放出量が多く、1日に放出される量の約50%が集中しています。外出にはこの時間帯を避けるようにしましょう。

B波

 
※日焼けで皮膚が赤くなる(炎症を起こす)。
 ※火傷を起こす(サンバーン)。
 ※炎症が治まった後、メラノサイトが増えて数日後黒くなる。
 ※シミ・ソバカスの原因。
 ※皮膚癌を生じる。

A波
 ※日光を浴びてすぐ黒くなる。
 ※シミ・ソバカスの原因。
 ※皮膚深部に影響を与え、皮膚のシミ・たるみの原因。

日焼けによる発癌
 (紫外線で皮膚癌。阪大医学部が実験で証明 朝日新聞夕刊より)

毎日1時間、紫外線(日光)を浴びる。
2年後には・・・
日焼けで赤くなった皮膚の遺伝子(DNA)が傷ついてしまいます。長年にわたり遺伝子を傷つけると、傷の修復が追いつかなくなり、突然変異が起こります。その結果皮膚にガン細胞が生じます。
 メラニン色素が紫外線に対するバリアーの働きをします。色白の人で日焼けをすると赤くなるだけの人は、色黒の人より、DNAの傷の量がずっと多くなりますので、より注意が日焼けを防ぐ必要です。


上手な日焼けの避け方


紫外線、どうやって防ぐのが効果的?
服装に気をつけ、UVカット製品を使用して!
効果的なのは、紫外線が直接肌に当たらないようにすることです。例えば、長袖のシャツは半袖に比べて腕に当たる紫外線を90%もカットできます。また、薄い色ほど紫外線が通過しやすくなりますから、黒や赤、青などの濃い目の色がお勧めです。帽子も必須アイテムです。同じ帽子でも、つばのある・なしで受ける紫外線量が違ってきます。衣類でガードしきれない部分は、日焼け止めなどUVカット製品を塗って紫外線をブロックしましょう。
紫外線は薄い雲や霧をも通過します。ですから、曇りの日も日焼け対策は必要です。
紫外線の量が多い時間帯は、
午前10時から午後3時までの間です。外出時には、日焼け止めクリームを使ったうえで、ツバのある帽子やパラソルを使うと更に効果的です。色も白より光を吸収しやすい黒っぽいもの方が肌まで届く紫外線の量は少なくなります。
 日焼け止めクリームは、
外出する30分以上前に塗布しましょう。また、SPFの大きな製品で、汗をかくような状況では、2,3時間おきに塗布すると良いでしょう。(例:SPF15なら約5時間の効き目)


生活シーンに合わせたUVカット製品の選び方は?


日常生活ならSPF10、リゾート地ならSPF30くらいを目安に!
まず目安になるのはSPF値です。これは、何も塗らないで紫外線を浴びた時に日焼けをするまでの時間を1とした場合、その何倍の時間、日焼けを防げるかを示した数値で、B波(UV-B)の防御効果を表します。日焼けするまでに25分かかるとすると、SPF10なら250分は日焼けしないことになります。
PAA波(UV-A)の防御効果を表します。基本的に、どちらも数値が高いほど効果も高くなりますが、近所への買い物や洗濯物干しなどの日常生活ならSPF10、PA+程度で大丈夫。海や山などのリゾート地なら、SPF30、PA++かそれ以上を選ぶといいでしょう。

紫外線は、3月から徐々に強くなり4月から8月が強くなります。ピークは、6月になります。1日のうちで紫外線が強いのは、午前10〜午後3時の間です。特にこの時間帯は紫外線から肌を守ることが必要です。
日焼け止めクリームはSPFの大きなものを使い、発汗に合わせ塗り直しましょう。

 年間を通しての紫外線対策はもちろんのこと、特に四月頃からの紫外線対策(スキンケア)をしっかりしましょう。